紀州鉱山の真実を明らかにする会

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伊勢新聞 2010年3月29日
【熊野「歴史的責任、追及する」連行朝鮮人の追悼碑を除幕】

 太平洋戦争中、熊野市紀和町の石原産業・紀州鉱山に千三百人を超える朝鮮人が強制連行され、強制労働に従事させられて、これまでに分かっているだけで三十五人が亡くなったとされる。
 同市紀和町板屋で二十八日、韓国からの四人を含む約百人が参加して「紀州鉱山で亡くなった朝鮮人を追悼する碑除幕集会」が開かれ、碑の除幕の後、韓国伝統舞踊家・金順子(キム・スンジャ)さんが「追悼の舞」をささげ、参加者が一人一人の名を記した石に献花して冥福を祈った。

 集会は、在日本大韓民国民団県地方本部や在日本朝鮮人総聯合会県本部、「紀州鉱山の真実を明らかにする会」で構成する「紀州鉱山で亡くなった朝鮮人を追悼する碑を建立する会」が主催した。同会によると、熊野市の協力が得られなかったため、鉱山資料館近くの民有地二一四・五平方メートルを購入した。

 追悼碑は、自然石に「朝鮮の故郷から遠く引き離され、紀州鉱山で働かされ、亡くなった人たち」「なぜ、みなさんがここで命を失わなければならなかったかを明らかにし、その歴史的責任を追究していきます」などの追悼文を刻んだ金属製プレートをはめ込んだもの。

 民団県地方本部代表や総聯県本部代表、南牟婁郡御浜町在住の「真実を明らかにする会」会員らの手で除幕され、亡くなった三十五人の名を記した石のリボンが一つずつ解かれた。
 東京在住の韓国伝統舞踊家・金順子さんが、白い民族衣装に身を包み「追悼の舞」を舞った。
 韓国から強制連行された人や遺族のメッセージが次々に読み上げられ、最後に参加者が一人一人の石に献花し、黙とうをささげて冥福を祈った。

 【写真】追悼碑(右)除幕集会で韓国伝統舞踊「追悼の舞」を舞う金順子さん=熊野市紀和町で
紀州鉱山の真実を明らかにする会